広報的視点からの三菱自動車の混乱

三菱自動車の混乱ぶりが露呈した6/4の日経朝刊だった。
この日の三菱自動車関連の紙面スペースは、新車のカラー広告と社会面のお詫び広告、そして新たなリコール隠しに関する一面の記事と根深き病巣と題した連載記事です。売る広告とお詫びの広告、そしてネガティブな記事の追いうち―これらが同居したとき生まれるのは、想像以上にネガティブなマインド。

サムスン聖火リレーの公式スポンサーとしてのカラー広告を同日付けで日経に掲載していた。サムスンはこれまで、企業活動や実績の面で随分とその存在感を高めており、この広告展開もそれなりの効果をもたらしたと思われる。

三菱自動車サムスン―これら2社の企業市民としての差異を、6/4たった1日の紙面からはっきりと見る思いがした(三菱自動車は3/24から5/28まで広告を自粛していたという)。

広告で企業がつぶれることはまずない。が、広報によって企業がつぶれることはある。これは過去の事例からも明白。6/4の日経は広報の意義、広告の意義、企業市民としてのステークホルダーとのコミュニケーションを考えるいい教材だ。