文字のコミュニケーションの第一歩: プレスリリース


情報や意思、感情を伝え合うコミュニケーション―ときには文字でロジカルに、ときにはビジュアルでエモーショナルに―ということで今回は文字でロジカルにプレスの皆さんに伝えるべき、プレスリリースについて考えてみます。

プレスリリースは、企業や行政機関、団体などから報道機関向けに発表された声明や資料のことです。学校を卒業してPR会社に勤務したときのこと、最初に手渡されたのが「共同通信社 記者ハンドブック」。初めて手にしたハンドブックを手に、プレスリリースを書くようになりました(ちなみに、その会社の設立者は共同通信社出身者でしたので)。

プレスリリースも基本と応用

さて最近、ストレートな発表案件もさることながら、複数の側面を持つ案件のローンチに携わることがあります。すると、対象となるメディアも広く、それに伴って提供すべき情報も深く、広くなります。改めて感じるのがプレスリリースの内容や視点の大切さです。プレスリリースをいくつかの側面から見てみましょう。

プレスリリースの基本は、簡潔に、わかりやすく、できるだけ具体的に書くことです。が、その内容や書き方、見せ方は同じ業界の企業でもB2Bの企業とB2Cの企業では、自ずと違ってきます。同じB2Cでも、ファッションブランドになるとさらに違うでしょう。B2BのIT企業はシンプルなものが多いと思いますが、ファッションブランドではレイアウト、フォントなど、記者や編集者のアテンションを得るための工夫を凝らしてあるように思います。

プレスリリースの深さと幅、そして視点

ひとつの案件のプレスリリースでも、配信される対象のメディアによって、その内容の深さと幅をメディアに合わせて複数作成するケースもあります。深さは詳しい情報、幅は背景や周辺動向などのより一般の方に受け入れられやすい情報を含めたものになります。当然ながら、それぞれに関心を得るための視点が必要になるわけですが。

あるいは、視点を変えて、強調すべきフォーカスポイントを変え、対象となるメディアの記者の方々により関心を持って頂けるように作成することもあります。一般紙と専門メディア、テレビ局と新聞や雑誌・・・・・・関心のあるテーマは読者層や視聴者層のプロファイル次第というわけです。

結局、プレスリリースの作成に際しては、立体的なマトリックスの表を埋めるがごとく、悩ましいものとなってしまうのですが。マトリックスの3辺は対象メディア、視点、情報の深さと幅です。

もちろん、電話やメール、面談によるフォローは欠かせないわけですが。

(以上)